白いセーターの天使

ネコむし対策に頑張っているカボとヨナちゃんへの
応援コメントや経験談、ありがとうございます。
いまのところ、まだ目視確認はできてないそうです…
引き続き(カボが)チェックしていきます〜〜



さて
月、火と連続12時間勤務だった。明日は休みで、また木曜日に同じフロアで12時間。

昨日は寝不足の上、疲れてたので
8時過ぎに帰宅後、急いでシャワーと食事をとって
カボと話す時間も短めにしてもらい、十時にはベッドに入れるようにした。
疲れてたのも手伝って朝まで通しで8時間ちかく睡眠!
目覚めスッキリ〜。今日はほぼ絶好調で頑張れた。でも最後に化粧が崩れるまでダダ泣きしてしまって
 あたくしこんなことで、ちゃんとナースになれるのだろうか…
と不安にもなったが
あなたは大丈夫よ。と先輩や、患者さん達からまでそう言われた。
患者さんからは、そうして親身になって泣くような人の方がいいわ、ともいわれたが
親身になっても、涙は出さずに済むナースになりたいのよ…
ベテランのナース達は、たとえ心が痛んでも普通に振る舞っているのだものね。

涙モロいところ、そのうちコントロールできるようになるものなのか…
これは性格だからな…

涙を止めるコツがあれば、教えてくださいませ…



月曜日に
私がフォローしたナースの受け持ち患者数は5人
この日は手伝いしながら、指導ナースの後ろを一緒にくっついて回った。
患者数は、午後に退院したり、また増えたりして最終的には4人になった

救急室や他のユニットのように時間に余裕ができないのがMed Surgフロア。
トイレやランチブレイクが他の部署よりも取りにくい。

でもうちの病院には勤勉で優秀なCNA達がいてくれるのが嬉しいよ!
横にも縦にもチームワークが素晴らしい。
他の病院のことは
ニューヨーク時代にクリニカルで行ってた病院の事しか知らないけれど
CNAはいつも不満たらたらで、仕事はできるだけ避けようとしていた。
それなのに、えらそうな態度をとる。
それが普通なんだと思っていたから
この病院で出会った人々にはビックリさせられた。

そして今日火曜日は
同じ指導ナースのもと
彼女の患者の一人のケアをぜんぶ担当して
一日の仕事の流れを全部つかんでみようというトレーニング。
アセスメントもチャートも、シフトチェンジの引き継ぎベッドサイドレポートまで全部やった。
これは良い勉強になったよ!
これを5人分、ちゃんとプライオリティを考慮しながら時間内に出来るようになるのは
いつの日か…

仕事の引き継ぎを済ませたあと、
私は昨日と今日だけ、指導ナースは先週からお世話していた
ある一人の患者の部屋に指導ナースと一緒に行き
患者の奥さんとその養女と
しばらく過ごした。

69年にわたる結婚生活を
ご主人の死によって、今夜にも終えようとしている
小さな身体の、強く気丈に振る舞っている奥さん。
私達が木曜日にふたたび出勤する頃には
おそらくもういないだろう彼女にお別れを言うために部屋を訪ねたのだ。

奥さんのエルシーは
90歳前とは思えないほどまっすぐな姿勢に
笑顔が美しいひと。白いセーターの彼女は天使のように見えた。

どれだけ、つらいことだろう、
強くあろうとして健気に頑張っている彼女は
苦しそうなご主人のそばでよりそって眠ったり、ただ静かに見つめていたり。。
昨日も今日も、彼らの事を思うたびに、いちいち涙目になっていた私は
最後の挨拶に行く時には涙は絶対こらえてみせる!

部屋に入る時に、そう心に決めたのに、
…ダメだった。
お礼を言われ、痩せた彼女をハグしたとたんに、涙を止められなくて。
涙だけならごまかせただろうが
鼻水が出たので
彼女の真っ白なセーターを鼻水と涙と化粧で汚さないように、と
鼻をすすらない訳に行かず。
エルシーは「あらあら、ナースが泣くのなんて初めて見たわよ」と泣き笑っていた。

しばらくおしゃべりしていたらエルシーが

 あなたはこの間、この人が運ばれてきた時に
 救急室にいたでしょう?

そう言われてから考えたら
私は直接担当しなかったけれど
指導ナースと一緒にERのナーシングステーションに居たとき
口を空けた大きな人がストレッチャーで搬送されてきて、目の前を通って行ったっけ。
ああ、あれは、この人だ!
その時と同じ横顔だ。なんで気がつかなかったんだろう。

日本人だからよけいに目立ったんだろうけど
救急室でバタバタしているナースの事まで
患者さんたちは覚えているものなのね。

そうよね、患者さんの家族にとっては
ERに運ばれてベッドに移ってからも
意識の戻らない家族の側で不安な気持ちで待たされている間
救いを求めるような気持ちで
私達スタッフを凝視しているはず。

そんなスタッフたちが
ふざけて大笑いしてたり
ダラダラしてたら
さぞかし、イヤな気持ちにさせているにちがいない。

私は、まだ新人だし
なにより、誰かが苦しんでる場所で大笑いするのは不謹慎だと思うから
そういう輪には入らないけれど
いつか自分が慣れて麻痺して、そんな一人になってしまわないようにという気持ちを
思い出させてくれるのは
あの白いセーターの天使のようなエルシーの笑顔、なのかもしれない

彼女の強いハグと笑顔を
心に刻み付けた。

ナースの我々はパーソナルには力になれないけど
エルシーがこの辛い時期を、親しい友達や養女さんに支えられながら
乗り越えて、幸せな思い出に包まれながら過ごして欲しい。
彼女は昨日ナーシングステーションに来て、
「なにか、紙をもらえないかしら? これから二人の物語を書くことにしたの」と言っていた。
波瀾万丈の列車の旅や
超ハンサムだった(それを本人も自覚していた)旦那さん(患者さん)との若き日の話や
絵心のある彼の晩年の作品の写真、
結婚69周年の写真はウエディングドレスを着て撮ったという、そんな写真もちりばめたりして
心、やすらかに、
私にくれたあのやさしい笑顔になりながら、書いて欲しいと思うのだ。




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