看護師がんばれ

病院で、患者のベッドサイドでケアをするのはナーシングスタッフ。
お医者さんやテクの人々も来るが
90パーセントは看護師や看護助手の仕事。

看護師一人に患者さんが4−5人いて
皆の世話をする訳だから
誰かの所にすぐに行けなかったりするけど
そこはチームが助けあってナンボ。

それなのに
プリセプターを1人残して私とセイラはランチに行っていたその間に
何度もコールベルを鳴らしたのに
プリセプターの電話には何もメッセージが出なかった。
エイドでもナースでも、近くに居る誰かが行ってあげればいいのに
運悪く、誰も行かなかった。
呼んでも返事がなかった患者さんは怒る。
部屋で死んでても気がつかないんだろう!と
カンカン。
それも当然の反応だ。

プリセプターは患者に謝った。
「でもなんで誰も部屋をのぞいてあげなかったの? だれだって他の患者について忙しい時もあるのに」と
心外そうだった。
「私だったら患者が呼んでるのに誰も行けない時は、のぞくわよ。
 皆の患者だし、私の担当患者にもそうしてもらいたいし。
 それがチームでしょ。
 でもそんなこと気にしない人が居るのよね…」

そのあと、シフトが終わる頃に
意識の無い緩和ケアの患者に痛み止めのモーフィンをあげようと部屋に入って行ったら
鬼のような形相の患者の娘がいて、オーラルケアをしていた。
 
 これがあなたたちの看護だっての?
 緩和ケアにするってプランなのはしってるけど
 それって
 水分も食事も与えないでこうしてほったらかしで飢え死にさせる事じゃないわよね!
 口も乾いてるし、痛みに苦しんでる。誰も世話をしてない。
 モニターも付いてない。こうしてミゼラブルに死なせて行く事なの?

わがプリセプターは冷静に
 そうではないわ。
 彼はずっとこうして眠ったままだけれど
 私達は一日中何度も見に来ているし
 身体の向きも変え、皮膚の状態もチェック、食事時にも声をかけて食べられるかどうかチェックしているし
 痛み止めのパッチもクスリも投与している。
 朝、私とあなたは電話で話し合ったわよね。緩和ケアのこと。
 あのとおりに、ドクターのオーダーの通りに心臓のクスリはとめて、痛み止めのクスリも出している。
 水分のことについてはドクターから説明を受けますか?喜んで連絡を取りましょう。
 
患者の娘は少し落ち着いて
プリセプターをハグして、謝って来た。
私も涙目で娘さんにハグをした。
お父さんをなくす心の準備がまだ出来ていない彼女が取り乱すのは自然なことだもの。
そりゃ辛いよね。
泣いてる私に気がついた彼女
「あなたはスイートハートだわ…」
とものすごい強いハグを返してきた。

あとでクスリ部屋でナース同士でこの事を話していたら、プリセプター涙目になってた。
そこへドクターも来て、「大変だったね、でもきみらがちゃんとしてくれてることはわかっているからね」と我々を慰めてくれた。

時間が過ぎて新卒仲間のセイラが退勤したあとも
プリセプターがモルフィンのポンプをセットしたりするのを見せてもらう為に
彼女と一緒に残っていた私は「もういいから、あとはチャートするだけだからあなたも帰りなさい」と
7時40分にクロックアウト。
帰りがけにプリセプターに
「今日はありがとう、色々教えてもらったし、良い経験をたくさんした。
あなたが患者家族から言いがかりをつけられても、冷静に丁寧に、毅然として答えていた様子からは
すごく学ばせてもらった。」
といったら
「あのときね、心の中はちっとも冷静じゃなかったわよ!」と笑っていた。
プリセプターは帰りに私を抱きしめて
 ユーアーファイン。だいじょうぶよ!また明日ね!
と言いながら今日一番の笑顔をみせてくれた。
ものすごく疲れているはずなのに、最高の笑顔だったわ。

ワシもつかれた…

基本的にはいい人が多い病院だが
クリップボードに付けたままにしといた
日本から持ってきた大事なジェットストリーム(ボールペン)を取られてしまった…
明日からは仕事へは
どうでもいいようなペンだけ持って行って使います…

明日も同じフロアで12時間
がんばるわ…
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